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私たちは日常の中で、仕事、家庭、人間関係など、さまざまな場面で「イラッ」とする瞬間に出会います。
しかし、その怒りの感情に振り回されてしまうと、後悔やトラブルにつながることも少なくありません。
そこで注目されているのが、「怒りをコントロールする」ための心理的スキル――アンガーマネージメントです。
本記事では、怒りのメカニズムから実践的な対処法まで、やさしく丁寧に解説していきます。
怒りというと、「悪い感情」「抑えるべきもの」と思われがちですが、実はそうではありません。
怒りは私たちが「大切にしている価値観が踏みにじられたとき」に生じる自然な感情です。
たとえば――
このように、怒りの裏側には「大切な想い」や「信念」が隠れています。
つまり、怒りを理解することは、自分の価値観を理解することでもあるのです。
怒りは実は「第二次感情」と呼ばれています。
その前には「不安」「悲しみ」「寂しさ」「無力感」などの第一次感情が存在しています。
たとえば、子どもが危ないことをしたときに「怒鳴ってしまう」のは、本当は「心配だった」「怖かった」という感情の表れです。
怒りは、心を守るための防衛反応でもあるのです。
この仕組みを知るだけでも、「自分は怒りやすい性格だ」と決めつける必要はなくなります。
怒りはコントロールできる――そう考えることが、第一歩になります。
アンガーマネージメントとは、1970年代にアメリカで生まれた心理トレーニングのひとつ。
「怒らないようにする」ことではなく、怒りの感情と上手につき合うための方法論です。
具体的には次の3つを目指します。
この3つのバランスが取れると、人間関係や仕事のストレスが大幅に軽減されます。
ここからは、今日からできる「アンガーマネージメント実践法」を紹介します。
怒りのピークは「6秒間」といわれています。
その6秒をやり過ごすだけで、衝動的な言動を防げるのです。
深呼吸をしたり、水を飲んだり、心の中で「落ち着こう」と唱えたり――
自分なりの6秒の過ごし方を見つけておきましょう。
怒りの感情は、言葉にしないまま抱えると膨らんでしまいます。
「私は今、約束を破られて腹が立っている」
「10段階中、7くらいの怒りだ」と、
自分の中でラベリングするだけでも、客観的に感情を見つめることができます。
怒りの多くは、「〜であるべき」というべき思考から生じます。
「時間は守るべき」「挨拶するべき」――それ自体は悪くありません。
ただし、「相手も同じ価値観で動いているはず」と期待してしまうと、裏切られたように感じて怒りが強くなります。
「自分の理想は尊重しつつ、相手には相手の事情がある」と考えるだけで、気持ちが軽くなります。
怒りを我慢し続けると、いつか爆発します。
大切なのは「怒りを上手に伝える」こと。
その際に役立つのが、「I(アイ)メッセージ」です。
×「あなたのせいでムカつく!」
○「私はこうされると悲しいと感じる」
相手を責める言葉ではなく、自分の気持ちを伝える言葉に変えるだけで、相手も受け入れやすくなります。
怒りは「疲れ」「睡眠不足」「ストレス過多」など、心身の状態に左右されます。
睡眠をしっかり取り、リラックスする時間を持つことも、立派なアンガーマネージメントです。
ウォーキングやヨガ、アロマ、瞑想など、自分なりのリセット方法を見つけておきましょう。
部下のミスや上司の言動にイラッとしたとき、6秒ルールやIメッセージを使うことで、感情的な衝突を避け、冷静な対応ができるようになります。
結果として、信頼関係が深まり、チーム全体の雰囲気も改善されます。
子どもが言うことを聞かないとき、つい感情的になってしまう親御さんも多いでしょう。
しかし、「怒る=しつけ」ではありません。
感情をぶつけるのではなく、「どうしてそう思ったの?」と対話する姿勢が、子どもの自己肯定感を育てます。
感情的な言葉よりも、自分の気持ちを整理して伝える方が、関係を長続きさせます。
「私はこう感じた」「こうしてもらえると助かる」と言えるようになると、相手も防御的にならず、建設的な話し合いができるようになります。
怒りを完全になくすことはできません。
しかし、コントロールすることは誰にでも可能です。
むしろ、感情をうまく扱えるようになると、人間関係・仕事・家庭のすべてがスムーズに回り始めます。
アンガーマネージメントは、一時的なテクニックではなく、自分をより良く生きるための一生もののスキルです。
「最近イライラしやすい」「つい感情的になってしまう」と感じている方こそ、今日から少しずつ取り入れてみてください。
怒りを抑え込むのではなく、「なぜ怒りが生まれたのか」を理解し、適切に表現できるようになることが、真の意味での感情コントロールです。
怒りを上手に扱えるようになると、
という変化が訪れます。
怒りは決して悪者ではありません。
そのエネルギーを、より良い人間関係づくりや自己成長に活かせるように――
今日から、あなたもアンガーマネージメントをはじめてみませんか?
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