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ヨガは、呼吸とポーズを組み合わせることで心身のバランスを整える健康法です。
ストレス軽減、柔軟性の向上、集中力アップなど、多くの効果が科学的にも報告されています。
しかし、初心者の多くが最初の段階でつまずき、効果を感じられないまま挫折してしまうのも事実です。
本記事では、初心者がやりがちな失敗7選と、その正しい練習法について解説します。
初心者にもっとも多いのが「完成形に近づけようと無理をする」ことです。
SNSや動画で見るポーズは美しく完成度が高いため、自分も同じようにやらなければならないと思いがちです。
しかし、柔軟性が十分でない状態で深い前屈や後屈を行うと、腰椎や膝関節に過度の負担がかかります。
理学療法の観点では、関節可動域を超えた動作は靭帯損傷や腰痛の原因になるとされています。
ポーズの完成度より「呼吸が続く範囲」を基準にすること。
痛みが鋭く出る、または翌日に強い違和感が残る場合はやり過ぎのサインです。
ブロックやベルトなどの補助具を活用し、体に無理のない形を探すことが安全です。
「形を保とう」と意識するあまり、呼吸が止まってしまう人は多いです。
実際にインストラクターの指導現場でも「息してますか?」と声をかける場面は少なくありません。
呼吸が止まると交感神経が優位になり、筋肉は硬直し血流も滞ります。
これではヨガ本来のリラックス効果が得られません。
ポーズを深めるよりも呼吸を優先すること。
吸いながら準備し、吐きながら動作に入るリズムを守ると安定します。
最初は「4秒吸って、4秒吐く」を目安に。
慣れれば「4秒吸って、6秒吐く」と吐く息を長めにすることで副交感神経が働きやすくなります。
ヨガは競技ではなく、外見の美しさを競うものでもありません。
しかし初心者は、周囲と同じポーズを取ろうとして無理をしがちです。
解剖学的に言えば、股関節や肩関節の形状は人それぞれ異なるため、同じポーズでも「見た目の完成形」は人によって違います。
外見にこだわると、体に合わない動きを強いてしまい、痛みや怪我の原因になります。
見た目よりも「どこが伸び、どこが安定しているか」という体の感覚を優先すること。
ヨガでは「アーサナ(ポーズ)の完成=安定と快適」とされます。
内側の感覚を信号にして調整することが重要です。
「毎日1時間やらなければ意味がない」と思い込み、数日で疲れてやめてしまう。
逆に「気が向いたときだけ」取り組む不規則型も効果を感じにくく、モチベーションを失いやすいです。
行動科学の研究では、習慣は「小さく、日常に溶け込む」ほど定着しやすいとされています。
つまり、長時間よりも「短くても定期的に」が続く秘訣です。
最初は「朝3分」から始めてOKです。
呼吸法や軽いストレッチを習慣化し、余裕のある日は時間を伸ばす。
この最低限の出席ラインを作ることで挫折を防げます。
「タオルで代用」「部屋着で十分」と始める方もいますが、滑ったり動きにくかったりして集中できません。
フローリングでは手首や膝への負担が大きく、怪我の原因になることもあります。
ヨガマットの厚みやグリップ力、服の伸縮性は安全性と快適さに直結します。
ウェアが窮屈だと呼吸も制限されます。
最低限の準備を整えることが、練習の質を高めます。
マットは厚さ4〜6mm、服は伸縮性と通気性のある素材が理想です。
小さな投資が長期的な継続につながります。
満腹の状態でヨガをすると、消化不良や吐き気を招くリスクがあります。
特にねじりや逆転のポーズでは胃腸を強く圧迫するため注意が必要です。
インドの伝統的なヨガの教えでも「空腹での練習」が推奨されています。
医学的にも、食後は血流が消化器に集中するため、運動には不向きです。
通常の食事なら2〜3時間、軽食なら1時間あけてから練習すること。
どうしても食後に行いたい場合は、仰向けで呼吸に集中するなど軽いリラクゼーション法に留めましょう。
スタジオで周囲を見て「自分だけできていない」と落ち込む、SNSでインストラクターの美しい写真を見て自信をなくす――これは誰にでも起こり得ることです。
しかし、ヨガは本来「自己との対話」であり、比較の必要はありません。
むしろ他人と比べるほど焦りや無理が生じ、怪我や挫折のリスクが高まります。
基準は「昨日の自分」です。
呼吸が深くなった、体が軽く感じられた――その小さな変化を評価することが、モチベーションを維持する最大の方法です。
ポーズの形よりも「呼吸が続いているか」を優先。
骨格や柔軟性は人によって違います。
補助具を活用し、自分に合った形を探すことが安全です。
毎日3〜10分の積み重ねが、体の変化を実感する近道です。
ヨガ初心者が陥りやすい失敗は、無理なポーズ、呼吸の停止、形へのこだわり、不規則な頻度、準備不足、食後の練習、他人との比較です。
いずれも小さな意識の修正で防ぐことができます。 重要なのは「ヨガは完璧を目指すものではなく、続けることで効果を発揮する」という点です。
呼吸を整え、自分に合った形で、短時間でも習慣化する――この3つを守れば、ヨガは心身の健康に大きな力を発揮します。
ヨガは競争でも課題でもなく、自分を大切にするための時間です。
ぜひ安心して、一歩ずつ長く続けてみてください。
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協会について
日本統合医学協会は、東京と大阪に拠点を持ち、日本における健全な統合医学の普及と発展を目的として、平成12年に設立されました。メディカルアロマ、メディカルハーブ、またメディカルヨガやメディカルピラティスといった幅広い分野で技能研修や資格・検定の認定制度確立。統合医学の正しい知識の普及と技能向上に努めています。長年の実績と信頼ある当協会の資格は、医療・福祉の現場をはじめ、自宅サロン開業など転職・就職・開業にも役立てることが可能。統合医学の現場で働く皆様の活躍を後押しします。また、プロの育成だけでなく、セルフメディケーションとしてのメディカルアロマやメディカルヨガの普及にも注力し、誰もが「センテナリアン」を実現できる社会を目指し活動しています。