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「気分をリフレッシュしたい」
「部屋をもっと心地よくしたい」
そんなとき、手軽に取り入れられるのが香りのアイテム。
ドラッグストアや雑貨店で並ぶ市販の芳香剤、そしてアロマ専門店や自然療法の現場で使われる精油(エッセンシャルオイル)――どちらも私たちの暮らしに香りを届けてくれます。
でも実際、「芳香剤とアロマってどう違うの?」「香りならどちらも同じじゃないの?」と感じている方も多いかもしれません。
そこで今回は、市販の芳香剤(合成香料)と精油(エッセンシャルオイル)を客観的に比較しながら、それぞれのメリット・デメリット、目的別の使い分け方、そして最終的に香りとの向き合い方について深掘りしていきます。
香りの成分は、どこから、どのように作られているかで、その性質や働きが大きく変わります。
◾ 市販の芳香剤とは?
市販の芳香剤は、「合成香料」(石油由来の化学合成物質)を主成分にして作られています。
香りそのものは人工的に設計されており、「バラの香り」「柑橘系の香り」などが再現されていますが、実際には天然の花や果皮を使用しているわけではありません。
メリットとしては以下の点が挙げられます:
一方で、植物が持つ香りの複雑さや変化までは再現しきれないという特徴があります。
◾ 精油(エッセンシャルオイル)とは?
精油(エッセンシャルオイル)は、植物の花、葉、果皮、樹脂などから水蒸気蒸留法や圧搾法などによって抽出された揮発性の芳香成分です。
100%天然であることが前提であり、合成香料や添加物は含まれません。
特徴としては:
つまり、精油は「香りのための製品」というよりも、「植物の成分を使って心と体に働きかける自然療法の一環」といえる存在です。
香りは、ただの空間演出ではなく、私たちの感情や体調にも密接に関わる刺激です。
両者の「目的の違い」は、選び方の重要な基準になります。
◆ 芳香剤:香りによる空間演出
市販の芳香剤の目的は、主に以下の2つ:
設置するだけ、スプレーするだけで香りが広がり、誰でも手軽に使えるのが最大のメリットです。
ただし、香りが主張しすぎたり、敏感な人には頭痛・吐き気・倦怠感などの不快症状を引き起こすケースもあります。
◆ 精油(エッセンシャルオイル):心身への調整作用を期待する
精油は、香りを通して嗅覚神経から脳の大脳辺縁系に届き、自律神経やホルモン分泌に影響を与えるとされるため、以下のような目的で使われます:
こうした目的に応じて精油を選ぶことで、香りが「癒しのツール」や「セルフケアの手段」として機能します。
芳香剤は置くだけでOKという気軽さが魅力です。
対して、精油はディフューザーやキャリアオイルなど、正しい使い方と多少の手間が必要ですが、その分「自分の今の状態に合わせて選べる」自由があります。
芳香剤に含まれる合成香料や添加物は、通常の使用範囲では安全とされますが、長時間密閉空間で使用したり、化学物質過敏症の方が使用する場合は注意が必要です。
ペットや乳幼児のいる家庭では、製品の成分表示を確認して使用することが推奨されます。
精油は天然成分ですが、非常に濃縮されているため「天然だから安全」とは限りません。
適切な濃度で希釈し、体調や年齢、妊娠中の有無などを考慮して使用する必要があります。
また、品質のばらつきもあるため、信頼できる製品(100%天然・成分分析表あり)を選ぶことが重要です。
香りに何を求めるかによって、選ぶべきアイテムは変わります。
大切なのは、「香りがあること」ではなく、「香りが自分にとってどう作用するか」を意識することです。
近年、精油が注目される理由は、香りの範囲を超えた身体と心へのやさしいアプローチがあるからです。
合成香料にはない、
これらは、忙しい現代人にとって「ただの香り」ではなく、セルフケアの手段としての価値を提供してくれます。
市販の芳香剤と精油(エッセンシャルオイル)――
どちらも香りを楽しむための手段であり、どちらが正解というわけではありません。
ただ、「香りに癒されたい」「自然の力を生活に取り入れたい」と感じたとき、精油という選択肢は、香りを消費するのではなく体験するものへと変えてくれます。
あなたの今の気分や生活リズムに合った香りを選び、ぜひ心と体をやさしく整える時間をつくってみてください。
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