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「アロマって癒されるよね〜」
「最近アロマテラピーにハマってて!」
「いや、正式にはアロマセラピーって言うらしいよ?」
......え? テラピー? セラピー? どっちなん?
アロマに関心のあるあなたなら、一度はこの表記の違いに出会ったことがあるはず。
「ぶっちゃけどっちでも良くない?」と思った方、ここでちょっと立ち止まってみてください。
その違いにこそ、香りの世界の面白さと奥行きが隠されているのです。
まずは冷静に、この2つの言葉を並べてみましょう。
見た目は一文字違い。でもこの1文字の向こうに、文化、歴史、思想までもが交錯しているんです。
「Aromatherapy」
これをローマ字読みすれば「アロマセラピー」。
「Aroma(香り)」+「Therapy(療法)」の組み合わせで、
直訳すれば「香りの治療法」──つまり芳香療法。
英語圏のナチュラルケア文化や、補完代替医療の文脈でよく登場します。
英国のIFA(国際アロマセラピスト連盟)や日本統合医学協会などはこの表記を使っています。
一方、「アロマテラピー」はフランス語の「Aromathérapie(アロマテラピー)」に近い発音。
語源は同じでも、響きが違う。
「Thérapie(テラピー)」というフランス語読みが、日本語に入ってきたことでこの表記が使われるようになったのです。
フランスは実はメディカルアロマの本場。
精油が薬局で処方される国であり、科学的研究も盛ん。
だからこそ、日本でもナード・アロマテラピー協会など、フランス系の流れをくむ団体では「アロマテラピー」と呼ばれているのです。
表記の違いはただの言葉の揺らぎ──そう思ったあなた、実はそれ以上に「思想の違い」が隠されているのです。
「アロマテラピー」は、どちらかというとホリスティック(全体的)で、香りのある暮らしを通して心と体を整えるというライフスタイル志向。
癒し、セルフケア、ストレスケア...ナチュラルでやさしい世界観です。
雑貨屋さんで出会えるアロマオイル、ナチュラル系のサロン、ちょっと疲れたときのごほうびのようなイメージをまとっています。
一方で「アロマセラピー」は、治療や予防の文脈でも使われることが多い表現。
医療・福祉・看護などの領域で、エビデンスベースで活用される補完療法という位置づけです。
──そんな、香りの力で人の生き方に寄り添う現場で使われています。
では、「アロマテラピー」と「アロマセラピー」、どちらを使うべきなのか?
正解は、届けたい相手とあなたのスタンスによって使い分けることです。
シチュエーション | おすすめ表記 |
---|---|
癒しやライフスタイル系の話題 | アロマテラピー |
医療・介護・福祉での実践 | アロマセラピー |
初心者向けの入門記事や講座 | アロマテラピー(馴染みやすさ重視) |
専門的な内容・国際的文脈 | アロマセラピー(統一性と信頼感) |
たとえば、あなたが医療職や介護現場でアロマを使いたいなら「アロマセラピー」がしっくりくるでしょう。
一方、「暮らしに香りを」的なやわらかい雰囲気を出したいなら「アロマテラピー」も選択肢になります。
Googleトレンドなどで調べると、検索数としては「アロマテラピー」の方がやや多い印象です。
これは、AEAJ(日本アロマ環境協会)などの影響で広く普及しているためと考えられます。
ただし「アロマセラピー」は専門性が高いため、資格取得や医療系の文脈での検索に強い傾向があります。
「アロマセラピー」と「アロマテラピー」。
たった一文字の違いに見えて、その奥には香りに対する考え方が息づいています。
香りは、目に見えないけれど、確かに人の心を動かします。
そして、言葉の選び方一つで、その香りの伝わり方も変わるのです。
あなたがもし、アロマの世界を誰かに伝えたいと思ったとき──
「セラピー」にするか、「テラピー」にするか。
それは、あなた自身の香りとの向き合い方を映し出す選択なのかもしれません。
次に「香り」と出会うとき、あなたはどちらの言葉を使いますか?
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協会について
日本統合医学協会は、東京と大阪に拠点を持ち、日本における健全な統合医学の普及と発展を目的として、平成12年に設立されました。メディカルアロマ、メディカルハーブ、またメディカルヨガやメディカルピラティスといった幅広い分野で技能研修や資格・検定の認定制度確立。統合医学の正しい知識の普及と技能向上に努めています。長年の実績と信頼ある当協会の資格は、医療・福祉の現場をはじめ、自宅サロン開業など転職・就職・開業にも役立てることが可能。統合医学の現場で働く皆様の活躍を後押しします。また、プロの育成だけでなく、セルフメディケーションとしてのメディカルアロマやメディカルヨガの普及にも注力し、誰もが「センテナリアン」を実現できる社会を目指し活動しています。