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暑さのピークを越え、朝晩に少しずつ秋の気配を感じる頃。
「夏が終わるのに、疲れが取れない」
「朝起きても体がだるい」
「食欲がなかなか戻らない」
「最近、よく眠れていない気がする」
そんな不調を感じていませんか?
夏の終わりから秋にかけてみられるこうした体調不良は、一般に「秋バテ」と呼ばれることがあります。
秋バテは医学的な病名ではありません。
夏の暑さによる疲れが残るなか、朝晩と日中の寒暖差など季節の変化が重なることで、だるさや疲れ、食欲不振などを感じる状態を表す言葉として使われています。
今回は、なぜ夏の疲れが秋まで残るのか、自律神経との関係や生活習慣を振り返りながら、秋バテへの対策を紹介します。
「夏バテ」はよく知られていますが、暑さがやわらぎ始めても、体調がすぐに元へ戻るとは限りません。
夏の終わりから秋にかけて、
といった不調を感じることがあります。
こうした状態を一般に「秋バテ」と呼ぶことがありますが、明確な診断基準がある病気ではありません。
2025年に20歳以上の男女1,000人を対象に行われた民間調査では、59.1%が何らかの「秋バテ」の症状を感じていると回答し、「疲れが抜けない、だるさや身体の重さが続く」が最も多く挙げられています。
では、なぜ暑さが落ち着き始めてからも疲れを感じるのでしょうか。
夏バテと秋バテは、まったく別のものというより、夏に受けた身体への負担が秋口まで続き、そこに季節の変化が重なると考えると分かりやすいでしょう。
夏は高温多湿の環境に加え、冷房による屋内外の温度差、寝苦しさによる睡眠不足、暑さによる食欲の低下など、身体にさまざまな負担がかかります。
そして秋口になると、
「日中はまだ暑いのに、朝晩は涼しい」
という日も増えてきます。
暑さのピークを越えたからといって、それまでに蓄積した疲れがすぐに解消するとは限りません。
夏の疲れが残っているところへ新たな季節の変化が加わることが、秋口に体調を崩しやすくなる背景の一つと考えられます。

私たちの身体には、外の気温が変化しても体温を一定の範囲に保つ仕組みがあります。
この体温調節にも関わっているのが自律神経です。
暑いときには皮膚の血管を広げたり汗をかいたりして熱を逃がし、寒いときには血管を収縮させるなど、身体は環境に合わせて調節を続けています。
夏は、
暑い屋外 → 冷房の効いた室内 → 暑い屋外
という環境を一日に何度も行き来することも珍しくありません。
さらに秋口になると、一日の寒暖差や日ごとの気温差も大きくなっていきます。
こうした環境の変化への対応が続くことは、身体への負担の一つになります。
ただし、「秋バテ=自律神経が乱れている」と単純に決めつけることはできません。
疲れやだるさには、睡眠、食事、活動量、ストレスなどさまざまな要因が関係します。
だからこそ、一つの原因だけを探すのではなく、生活全体を振り返ることが大切です。
夏の終わりは、自分の体調や生活習慣を振り返る良いタイミングです。
最近の自分に当てはまるものがないか確認してみましょう。
これは病気や秋バテを判定するためのチェックではありません。
当てはまる項目があれば、「秋バテだ」と判断するのではなく、この夏にどのような生活をしていたかを振り返るきっかけにしてみましょう。
秋バテ対策というと、何か特別な健康法が必要なように思えるかもしれません。
しかし、まず見直したいのは、毎日の睡眠、食事、運動、休養です。
寝苦しい夜が続く夏は、睡眠時間が短くなったり、途中で目が覚めたりすることがあります。
睡眠は、心身の疲労を回復するために欠かせない休養活動です。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠時間だけでなく、「睡眠で休養がとれている感覚(睡眠休養感)」を高めることの重要性が示されています。
「7時間寝たから大丈夫」などと時間だけで判断するのではなく、
朝起きたときに、きちんと休めたと感じられるか
にも目を向けてみましょう。
できるだけ起床・就寝のリズムを整える、朝は光を浴びる、寝室の温度や明るさを整えるなど、基本的な睡眠環境を見直すことから始めてみましょう。
暑い日には食欲が落ち、
「麺類だけで済ませる」
「食事を抜いてしまう」
「簡単なもので済ませる」
といった食生活になりやすくなります。
こうした状態が続けば、必要なエネルギーや栄養素を十分にとれないこともあります。
「疲労回復にはこれ」と特定の食品や栄養素だけに頼るのではなく、まずは主食・主菜・副菜を意識して、食事全体を整えることを考えてみましょう。
食欲がないときは無理をせず、食べられるものから少しずつ普段の食生活へ戻していくことが大切です。
猛暑の日に無理な外出や運動を避けることは、熱中症予防のためにも重要です。
一方で、その結果、夏の間に活動量が大きく減っていたという人もいるでしょう。
気候が少しずつ落ち着いてきたら、体調を確認しながら、
など、無理のない範囲で身体を動かしてみましょう。
いきなり激しい運動を始める必要はありません。
「運動しなければ」と頑張るより、日常生活の中で身体を動かす時間を少しずつ増やすことから始めるのも一つの方法です。
「休養」というと、横になったり眠ったりすることをイメージするかもしれません。
しかし、仕事や家事が終わってもスマートフォンやパソコンを見続けていたり、予定を詰め込んでいたりすると、ゆっくり過ごす時間が少なくなってしまいます。
たとえば、
音楽を聴く。
好きな香りを楽しむ。
ゆっくり入浴する。
自然の中を歩く。
何もしない時間をつくる。
方法は人それぞれです。
自分が心地よいと感じる方法で、意識的に休養する時間をつくってみましょう。
夏の終わりには、身体だけでなく、心も十分に休められているか振り返ってみることが大切です。
ここまで秋バテについて紹介してきましたが、覚えておきたいことがあります。
「疲れが取れない=秋バテ」とは限りません。
強い倦怠感、食欲不振、めまい、頭痛、睡眠の問題などは、さまざまな病気や体調変化によって生じる場合があります。
「季節の変わり目だから」と長期間我慢することは避けましょう。
症状が強い場合、長く続いている場合、日常生活に支障が出ている場合などは自己判断せず、医療機関に相談してください。
夏から秋への季節の変わり目。
「秋バテを何とかしなければ」と考えるより、まずはこの夏、自分の身体や心にどのような負担がかかっていたかを振り返ってみてはいかがでしょうか。
睡眠、食事、運動、休養。
私たちの健康は、どれか一つだけで成り立っているものではありません。
身体の状態だけでなく、心の状態や毎日の暮らしにも目を向けながら、自分に必要なケアを考えていく。
夏の疲れを感じやすい今だからこそ、生活全体を見直し、健やかな秋を迎える準備を始めてみましょう。
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